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眼の日焼けにご用心!

[2021.08.14]

8月に入り、ますます強い日差しが照りつける日本列島は連日危険な暑さを記録しています。ギラギラと眩しく光る太陽から降り注ぐ紫外線は私たちの肌をこんがりと焼いてしまうだけでなく、眼にも大きなダメージを与え続けています。まさに眼も日焼けをしているのです。コロナ禍の今、混雑を避けて屋外のアウトドアに出かけるご家庭も少なくないようです。長時間にわたって強い紫外線を眼に浴び続けてしまうとさまざまな異常が引き起こされることがあります。今回はそんな“眼の日焼け”についてお話させていただきます。

眼は年中、無防備な状態で紫外線にさらされ続けているという真実

紫外線は年中私たちのもとへ降り注いでいます。特に正午頃は最も紫外線量が多いとされる時間帯です。肌へのダメージを防ぐには日焼け止めを塗布しますが、眼にはそれができません。眼はとてもデリケートで複雑な構造をしています。特に外界と常時接することとなる角膜は紫外線によって特にダメージを受けやすい場所となります。屋外で長時間の活動をしていると眼に強い痛みを感じたり、充血や涙が止まらなくなったといった経験のある方も多いのではないでしょうか。それはまさに紫外線によって起きた異常のひとつです。

強い光や紫外線によって引き起こされるさまざまな眼の疾患

強過ぎる光や照り返しを長時間浴びたり、屋外での活動が多い場合には以下のような眼の病気を招きやすいため注意が必要です。

急性紫外線角膜炎

強い紫外線を浴びた後、一時的に眼の痛みや充血、ゴロゴロとした異物感や視力低下が引き起こされる病気。溶接作業やスキー、長時間にわたる屋外スポーツや海水浴、釣りやアウトドアなどで発症されることが多いのが特徴です。

瞼裂斑(けんれつはん)

紫外線などの影響によって白目の一部が隆起し、黄色く変色します。軽度であれば自覚症状は特にありませんが、眼の充血や異物感、痛みを伴うケースもあります。

翼状片(よくじょうへん)

紫外線によって白目の表面を覆っている結膜細胞が異常増殖を起こし、黒目部分にまで覆いかぶさるようになってしまう病気。充血や異物感、眼の渇きを生じるケースが多くみられます。視力低下に関わる場合には手術が必要となります。

白内障(はくないしょう)

長年にわたって蓄積された紫外線によるダメージから、眼のレンズの役割を担う水晶体部分が白く濁り、視力低下や物を見えにくくさせてしまう病気。老いとともに誰もが発症する可能性があります。病気の進行は比較的ゆるやかでありながらも、放置し続けると失明する危険もある大変怖い病気です。早期発見・早期治療が何よりも重要となる病気です。

→白内障について

加齢に伴う網膜の異常

長期にわたって蓄積された紫外線によるダメージによって、物がゆがんで見えづらくなったり、視野が欠けるなどといった異常がみられる場合には加齢黄斑変性症といった病気が疑われることがあります。網膜の中心部にある黄斑と呼ばれる部分に異常が生じる病気であり、中高年以降の失明を招きやすい病気として知られています。

→加齢黄斑変性症について

老眼の加速

手元の小さな文字が読みづらくなってしまう老眼は、レンズとなる水晶体が硬く変質することによって起きる病気です。水晶体の異常は長年にわたって蓄積された紫外線の影響が深く関わっています。眼を守ることはすなわち老眼の予防にもつながります。

眼の日焼けを防ぐ効果的なアイテム

強い光や紫外線から正しく眼を守るためには、以下のようなアイテムを取り入れてみることもおすすめです。

UVカット加工されたサングラス

紫外線や強い光の照り返しから眼を効果的に守るためには、UVカット加工されたサングラスの装着がおすすめです。直接眼に入り込む光や紫外線量を大幅に軽減することができます。レンズ部分が比較的大きなものや、目の周りを隙間なくふさぐタイプのものが特におすすめです。

ツバの広い帽子

小さなお子さんとの外遊びには、顔全体に陰を作り出すようなツバの広い帽子着用がおすすめです。日常生活の中に無理なく取り入れられる工夫が大切です。

日傘

長時間にわたる屋外スポーツの観戦などにはサングラスや帽子とあわせて日傘もマストアイテムとなります。日陰スペースを作り出すことで体感温度も下げられます。

保護メガネ

溶接作業を行う際には、強い光から眼を守るためだけでなく、怪我防止の観点からも専用の保護メガネを必ず装着するようにしてください。

正しく光を防御すれば、さまざまな眼の病気の進行を防ぐことができます

炎天下での釣りやアウトドア、野球やサッカーなどの屋外スポーツを楽しまれている方はとても多いと思います。オフィス街においても、ガラス窓からの強い反射光は眼にとってできるだけ避けたい光となります。末永く眼の健康を守るためには、強過ぎる光や紫外線に対する防御策をまずは正しく知り、ダメージをできるだけ蓄積させない工夫を図ることが大切です。夏場は特に眼のトラブルを訴えられる患者さんが急増する傾向にあります。長く続く眼の違和感や、なんらかの異常を感じている場合にはけっして放置せず、症状が軽いうちにぜひ診察にお越しください。

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