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新型コロナウイルス感染症について

[2020.04.27]

2020年4月21日記

新型コロナウイルス感染症については現在、確たる情報は何もありません。ただ、一眼科医として日々の診療現場での経験や各報道機関の情報からうかがい知ることのできるデータを含め、私個人が感じていることを参考までに少しお話させていただければと思います。ただし、現在のところはすべて推定でのお話となります。それをご理解いただいた上でご一読いただければと思います。

新型ウイルス感染症に一番最初に気づいたのは武漢の眼科医
眼は感染経路として警戒すべき場所です

中国武漢市を発生源される新型コロナウイルスですが、原因不明の肺炎患者の急増にいち早く気づき、警鐘を鳴らしたのは武漢の眼科医でした。さまざまな報道でも取り上げられましたが、その眼科医自身も新型コロナウイルスに感染し、残念ながら命を奪われてしまいました。当時、その眼科医は眼を感染経路として肺などの臓器に深刻なダメージを与える病気であると訴えました。まさにその通り、眼は十分に感染経路となりうる構造をしています。例えば、涙が大量に出る際には鼻にツーンと流れ込んでいく感覚を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。眼と鼻は細い通路で繋がっています。その通路を「涙管」と呼びます。通常はこの涙管を通じて涙は眼から鼻へ、そしてさらにその奥の喉の奥に流れて込んでいく構造となっています。涙管は本来、眼の中に貯めておく涙の量を調節したり、浄化機能をつかさどっています。そこにウイルスが付着したとなると、涙管を通じて鼻から喉の奥へ、さらには気道や胃などにも侵入する可能性が十分に考えられるわけです。

この新型コロナウイルス感染症の研究はまだ始まったばかりです。世界中のさまざまな分野の専門家や研究者たちが総力を挙げてこのウイルスの実態を解明すべく立ち上がっています。しかしながら、一番最初にあの武漢の眼科医が指摘していたこの「涙の通路」というのは、今後の研究課題としてもとても注目されるべき場所だと私自身も感じています。

涙管から逆行してくるウイルスの飛び散りに要注意!

私たち眼科医にとっても涙管部の治療は日常的によくある事例です。もしも新型コロナウイルスに感染している患者さんの治療を行う際には特に警戒しなくてはならない場所と言えます。涙管の逆行性も考えられます。肺から逆流してきたコロナウイルスが、涙を介して飛び散る危険も十分に考えられます。治療を行う医療者側は特に厳重な対策を講じる必要があります。実際、すでにこの危険性を提唱している眼科医は多くいます。ただ、現状では新型コロナウイルスの実態について何も正確なことは解明されていません。PCR検査も現状では喉や鼻からの分泌物を採取して判定しており、涙でPCR検査を行っているというデータはいまだ見かけたことはありません。しかしながら眼の構造を考える上では十分に理にかなった仮説であるということだけは確かです。そう考えるならば、今までのインフルエンザウイルスなども同様に眼からの感染が日常的に起きていた可能性があります。

涙管部の治療には特に厳重な対策を講じて治療にあたっています

特にドリル等の治療機器を使って涙管部を手術する際には、涙や眼からの分泌物がミストと呼ばれる小さな粒子となって飛び散ります。新型コロナウイルスがその中に含まれている可能性が捨てきれないのなら、厳重な感染防止策を取る必要があります。当クリニックにおいても考えうる限りの最大限の防御を徹底し、治療を行うよう意識いたしております。

当クリニックではスタッフ一同、感染防止策を徹底して行うよう努めております

新型コロナウイルス感染症に対しての予防策は各所で行われていますが、当クリニックにおいてもすべての患者さんの治療に対して最大限注意を払い対応いたしております。涙をはじめ、眼からの分泌物全般に対して、決して直接的に触れることのないようにスタッフ一同、徹底した対策を行うよう努めております。さらに手指の念入りな洗浄やアルコールでの除菌、治療器具の滅菌や管理を厳重に行うなど、感染防止策には最大限の取り組みを行っております。患者さん側におかれましても例えば感染が疑われる方がそばにいらっしゃる場合には、その方が顔を洗っている際には近寄らないようにするなどといった対策もぜひ注意点に加えていただければ幸いです。

まだこのウイルスの全貌が分かっていない以上、私たちにできることは今考えられる最善の方法で根気強く予防策を講じるほかありません。まずはひとつの感染予防策としてご参考にしていただければ幸いです。

結膜炎など白目の炎症が感染の兆候である可能性も―

新型コロナウイルス感染症の症状のひとつとして、結膜炎など白目部分の炎症を挙げる先生たちが多くいらっしゃいます。いわゆるウイルス性結膜炎の症状であるため、理論上は確かに一理あると私も考えております。ただし、現状では結膜炎の所見だけから新型コロナウイルスへの感染を診断することは困難です。結膜炎の症状に加え、厚生労働省のホームページ上で示されているような新型コロナウイルス特有の肺炎症状がみられる場合には、感染を疑った対応をぜひお取りいただければと思います。

「手で直接眼をさわらない」「こすらない」「手をよく洗う」の基本を忘れずに―

呼吸器科専門医だけでなく、各分野の研究者や医師、医療技術が総力をあげてこの未知のウイルスを抑制するために戦っています。一日も早く今までの穏やかな日常を取り戻せるよう、ご来院いただく患者さんにおかれましても「手で直接眼を触らない」「こすらない」「手をよく洗うこと」といった一般的な感染性結膜炎対策は非常に有効なことです。感染予防に対してぜひ意識高くお過ごしいただければと思います。

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