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世界に広がるブラインドスポーツ

[2021.07.16]

まもなくオリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。コロナウイルスの問題などまだまだ予断を許さない状況は続いておりますが、この日を目標に血のにじむような努力を続けてきたアスリートたち一人一人のドラマを思うと、どうか悔いなく最高のパフォーマンスを魅せてほしいと切に願うばかりです。特にパラリンピックの選手たちの中には重い視覚障がいを持つ選手たちが大勢います。今回はそんな選手たちにささやかながらエールを送るべく、ブラインドスポーツについて少しご紹介させていただきます。

社会復帰を目指すための取り組みから生まれたブラインドスポーツ

人は情報の約80%以上を視覚から得ると言われています。しかし、先天性の病や不慮の事故など、さまざまな理由によって視力を奪われてしまわれる方がいます。全盲や弱視、見え方の異常などを挙げれば程度も千差万別です。社会復帰を目指すためには一人一人に適切な治療と訓練が必要となります。まさにそのリハビリの一環として考えられたものが、今のブラインドスポーツのはじまりとされています。

障がいのある方もさまざまな競技の場で活躍しています!

今回のパラリンピックにおいても視覚障がいを持つ選手たちは「陸上競技」「5人制サッカー」「柔道」「ゴールボール」をはじめ、さらには「馬術」「ボート」「自転車競技」など実に多彩なスポーツに出場します。それぞれの競技においてルールは複雑に異なりますが、聴覚や触覚などその人の持てる感覚のすべてを研ぎ澄まして熱戦を繰り広げます。例えば、ブラインドサッカーはフットサルをべースに作られた競技ですが、音の出るボールを使用し、声を掛けあって仲間の正確な位置を把握しながらパスをつなぎます。そのため観客側は大きな声援や音を出しての応援はできませんが、選手たちの鍛え上げられた肉体やパス精度の高さ、駆け抜けるスピードの速さを目の当たりにするとただただ圧倒されるばかりです。ブラインドサッカーは近年では学びの一環として小学校の授業でも扱われるところがあるそうです。障がいの有無にかかわらず、同じスポーツを通じて得られる楽しさや一体感こそ、このブラインドスポーツならではの面白さではないでしょうか。

「人が人を支えている」という当たり前のことをあらためて気づかせてくれるパラリンピック

アスリートの皆さんからはよく「恩返しをしたい」という言葉が聞かれます。日々自分を支えてくれているコーチやチームの仲間たち、家族や応援してくれているファンに対する率直な思いからの心からの感謝にほかなりません。特にパラリンピックでは伴走者やチームメイトとの強い絆を感じるシーンには胸を打たれます。特に視覚障がいを持つ皆さんは人一倍、周りを信じて助けあうことの大切さを身をもって知っているはずです。「人を支えるのは人である」ということ、「“できないこと”よりも“できること”に目を向けて力強く前進し続けること」の凄みをパラリンピックではあらためて考えさせられます。ぜひ皆さんもご一緒に、高い壁に挑み続ける選手一人一人に熱いエールを送りながらオリンピック・パラリンピックを観戦いただければと思います。

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