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乳幼児期の視力異常を早期に見つけ出すためにできること

[2022.11.08]

「ものを見る」という眼の機能は8歳頃までに完成すると考えられています。中でも0歳から5歳までの乳幼児期は眼の発達において非常に重要な時期と重なります。しかしながらその時期のお子さんたちはというと、まだうまく言葉を話すことも正しく物事を捉えて伝える力も未熟です。自分から眼の不調や違和感を訴えることが現実的に難しいだけでなく、先天的な眼の問題を抱えるお子さんたちにとっては“異常な見え方をしている”とまずご自身で感じ取ることができません。今回はそんな乳幼児期のお子さんたちの眼の異常を早期に見つけ出すための取り組みをご紹介します。

人間の視機能は3歳までに急速に発達し、8歳頃までに完成する

一般的に小さなお子さんが初めて眼科を受診されるのは、3歳児健診で何らかの眼の異常が指摘され、クリニックにご相談にお越しいただくケースが多いです。「ものを見る」という眼の機能発達3歳で約7割、8歳頃にかけてほぼ完成した状態になると考えられています。非常に繊細で複雑な構造をしている乳幼児期の眼の状態を正しく把握し分析するためには、専門性の高いクリニックで詳しい検査をお受けいただく必要があります。

「3歳児健診」とは

身長・体重をはじめとする一般的な検査項目に加え、眼や耳などの重大な疾病の有無や成長の遅れはないかを入念に確認する大切な機会となります。多くの自治体で無料の定期検診として行われています。3歳児健診で何らかの異常が指摘された場合には、速やかに専門の医療機関におかかりになってご相談いただく必要があります。

このような様子や仕草に心当たりはありませんか?
  • テレビ画面や興味のあるものに極端に近づいて見る癖がある 
  • 写真に写る際の目の動きが気になる 
  • 片方の目だけでものを見る 
  • 目を細めてものを見る 
  • 光を極端にまぶしく感じる 
  • 目やにや涙が多く出やすい 
  • 首をかしげてものを見る癖がある 
  • すぐに疲れやすい 
  • 集中力が続かない 
  • よく転んだりものにぶつかったりする など

異常の発見が遅れると将来的な問題につながる可能性も―

特に先天的(生まれつき)な眼の問題を抱えていらっしゃるお子さんは、見えにくさやものの見え方の違和感にご自身で気づくことができません。そのため長期に渡って異常が放置されやすく、周りにいる方々もなかなか異変に気づきにくいため治療すべき適切なタイミングを逃してしまうといった問題が起こりやすくなります。特に弱視や屈折異常(近視や遠視)などといった問題は早期に気づくことさえできれば、有効な治療のご提案など改善できる可能性が大いに広がります。普段の生活の中でお子さんの眼の動きやちょっとした仕草など、気になる様子がみられる場合にはぜひ一度当院までご相談ください。

当院では0歳から視力検査が可能な「スポットビジョンスクリーナー」をご用意いたしております

当院では0歳の赤ちゃんからの視力検査が可能な「スポットビジョンスクリーナー」をご用意いたしております。わずか数秒で両眼の近視・遠視・乱視・斜視・不同視・瞳孔不動などといった異常の検出が可能です。痛みもなく、小さなお子さんも安心して受けられます。検査員からの指示がまだ理解しづらい低年齢のお子さんたちはもちろんのこと、赤ちゃんはお母さんに抱っこされたままリラックスした状態で検査が受けられます。ここ京都地区の眼科のスポットビジョンスクリーナーの導入率は比較的高めですが、全国的な数値をみるとまだまだ十分な導入には至っていないのが現実です。繰り返しにはなりますが、乳幼児期は視力形成において非常に重要な時期です。異常の早期発見を叶えるためにも、まずは0歳から視力検査が受けられるという事実をぜひ患者さん側にも広く知っていただき、気になる症状がみられる場合には積極的に検査をお受けいただければと思います。

「ものの見え方」は脳の形成をはじめ、さまざまな発達の遅れを招く危険があります

「ものが見える」というメカニズムはとても繊細で複雑です。特に外界の変化を敏感に感じ取るべき乳幼児期において見え方に異常があれば脳の形成そのものに直接的な影響を与えるだけでなく、感受性やさまざまな分野の発達の遅れを招く危険があります。3歳児健診はまさにお子さんの異常に早期に気づくために欠かせない検査機会のひとつとなりますが、3歳まで待たずとも気になる様子やご心配事がある場合には眼科にて詳しい検査が受けられます。また、治療開始は早ければ早いほど治療法の選択肢も大きく広がり、治る可能性も格段に高くなります。ものが見えづらい状況が長く続くことは想像以上のストレスです。これからも子どもたちの健全な眼の成長を守るために、親御さんをはじめとする周りにいる大人たちの普段からの注意深い見守りは欠かせません。ご心配事や気になる様子が見られる場合には些細なことでもお気軽に当院までまずはご相談ください。また、3歳児健診や就学前健診などの際に「視力検査がうまくできなかった」などご心配なお気持ちが残る場合にもお気軽にご相談ください。

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