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真夏の強い紫外線から眼を守ろう

[2022.08.11]

8月11日は「山の日」。夏山登山をはじめキャンプやバーベキューなど、この時期ならではの野外の活動を楽しまれている方は多いことでしょう。また、京丹後や天橋立、伊根や舞鶴などといった京都の海側では、海水浴やマリンスポーツを楽しまれる方で連日大盛況の様子です。しかし真夏のジリジリと照りつける太陽の光は私たちの肌をこんがりと焼いてしまうだけでなく、眼の内部にまで深刻なダメージを与える危険があるため注意が必要です。

紫外線が原因となって起こりやすい眼のトラブル例

7月や8月は特に紫外線の照射量がピークを迎える時期となります。上空から地表に降り注ぐ紫外線量はもちろんのこと、地面や水面からの強い照り返しによっても眼に入り込む紫外線量は大幅に増加します。特に正午頃は最も紫外線量が多いとされる時間帯となり警戒が必要です。

  • 眼が充血する
  • 眼の奥が痛い
  • 涙が止まらなくなる
  • 眼がかわく
  • 眼がかすむ
  • ゴロゴロとした異物感がある
  • ものが見えづらくなった(視力低下)
  • 眼が痛くて開けていられない
  • 眼が痛くて眠れない
  • 光を異様にまぶしく感じる

などといった異変を感じた場合には、眼の内部にまで紫外線による炎症が広がっている可能性が考えられます。すみやかに眼科をご受診ください。

長時間の強過ぎる紫外線は角膜を損傷させる危険も―

肌の日焼けは軽いやけどに相当します。眼も同様に「角膜」と呼ばれる部分が焼けて炎症や損傷が生じることがあります。角膜はいわゆる黒目の部分を覆っている透明な膜です。外からの光を取り込む場所にもあたりますが、吸収処理できる光量にも限度があり、それを超えるほどの強烈な紫外線を長時間浴び続けてしまうと眼の表層部が徐々に焼けただれるようになります。やがて眼の細胞自体が破壊され、白内障などのさまざまな疾患に発展する危険性が高まります。さらには水晶体や網膜などといった眼の深部にまで影響が広がると、さまざまな眼の機能そのものに深刻な問題を生じるようになります。

炎天下での活動の際には眼の紫外線対策も万全に

日差しの強い屋外で長時間の作業や活動を行われる場合には、紫外線から眼を正しく防御する対策を講じる必要があります。肌には日焼け止めを塗ることができますが、眼にはそれができません。さまざまな商品が販売されていますが、紫外線カット率は数値が高いほど強力です。まずは毎日の生活の中から積極的に取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。

UVカット加工されたサングラス

太陽からの強い日差しを和らげ、照り返しなど眼に入り込む光や紫外線量を大幅にカットできるUV加工のサングラスは夏の定番アイテムのひとつです。レンズ部分が大きいものや目の周りを隙間なくふさぐタイプのものが効果的です。紫外線カット率なら99%以上、紫外線透過率では1.0%以下のものがおすすめです。

ツバの広い帽子

顔全体に陰を作り出すようなツバの広いタイプがおすすめです。最近では紫外線を吸収したり乱反射させたりする化学繊維で作られた帽子もよく売り場で見かけるようになりました。目の詰まった厚い生地のものを選ぶとさらに高い遮光性が期待できます。

日傘

スポーツ観戦時などにはサングラスや帽子とあわせて日傘は欠かせないアイテムです。日陰のスペースをどこにでも作り出し、体感温度を下げることが可能です。裏地のついた遮光性の高いタイプのものがおすすめです。

熱中症によるめまいや立ちくらみも急増しています

ここ京都でも40℃に迫る危険な暑さが記録されています。実際の診療現場でも熱中症によるめまいや立ちくらみを生じる患者さんが急増しています。めまいや立ちくらみは命に関わる危険なサインのひとつです。まずは安全な涼しい場所に移動して、水分補給や体の冷却に努めましょう。保冷剤や冷たいペットボトルなどをタオルやハンカチでくるみ、首筋やわき、足のつけ根(鼠径部)などを重点的に冷やすと体内にこもった熱が比較的逃げやすくなります。

眼に異常を感じた場合にはすみやかにご受診ください

夏休みに釣りやアウトドア、お子さんの野球やサッカーの応援など屋外の活動を楽しまれている方はこの時期大変多いと思います。紫外線は眼には見えない光ですが、人体にとってはときに有害なものとなります。正しい知識を持ち、しっかりと防御した上で夏の思い出作りをどうぞ存分に楽しんでいただきたいと思います。レジャーだけでなく、オフィス街においてもガラス窓からの反射光などは注意したい光のひとつ。眼に気になる違和感や、明らかな異常を感じている場合にはすみやかに診察にお越しください。

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