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プール熱(咽頭結膜熱)について

最近では新型コロナウイルス感染症にばかり注目が集まっていますが、私たちの身のまわりには他にも注意すべきいくつもの感染症があります。これからの時期に特に警戒したいのは「プール熱」です。新型コロナウイルスと同様に、感染症は家族内はもちろん、急激な患者数増を招く危険があるため注意が必要です。

プール熱とはどんな病気?

プール熱は咽頭結膜熱とも呼ばれており、眼から出た分泌物を手で触ってしまうことで感染が広がってしまう病気です。主な症状としては急な発熱、咽頭炎による喉の痛み、眼の充血などが顕著です。目やにが出やすくなるため、ついつい手でこすってしまったり、違和感から眼に触れる回数が増えることで周りに感染を広げてしまいます。プールの水を介して感染するケースも多いことから一般的に「プール熱」と呼ばれるようになりましたが、決して水泳をされている方や小児だけがなりやすい病気ではありません。季節を問わず一年中、誰しもが感染する可能性のある病気です。

原因はアデノウイルス

プール熱はアデノウイルスが原因です。アデノウイルスの感染力はとても強く、飛沫感染や接触感染などで直接的に感染を広げることに加え、症状がなくなった後も喉から1~2週間程度、排泄物からは1か月程度の長きに渡ってウイルスが排出されることが報告されています。さらに厄介なのは、アデノウイルスには種類が複数あることです。一度プール熱になったとしても別の種類に感染すると再び発症してしまうことがあります。眼を手でこすりやすい環境にあるほど感染を広げやすいため、学校のプール授業などは特に注意が必要です。ご家庭内も感染を広げやすい環境となるため、感染を防ぐ対策を取ることはとても重要です。

主な症状

  • 急激な発熱
  • 咽頭部(喉の奥)の痛み
  • 目の充血
  • 目やにが出やすい  

などといった症状を訴えられる方が多いです。特に眼の充血がなかなか引かない場合には、このプール熱が疑われます。眼に関する症状がある場合には、眼科にて専門的な診察や治療をお受けいただくことが必要となります。

プール熱はウイルス感染症であるため、どれだけ目を清潔に洗ってもすぐに良くなることはありません。合併症を防ぐための抗生剤の使用や、炎症を抑える点眼薬などをあわせて使用しながら12週間程度をかけて治療していく必要があります。適切な薬を用いて、体内にプール熱に対する抗体を徐々に作ることで快方に向かいます。

感染拡大を防ぐ対策

プール熱は非常に感染力が強い病気です。そのため、症状が改善されたと認められるまで登園・登校は出席停止となります。放置し続けると、特に小児の場合には視覚障害に繋がってしまう可能性も十分に考えられますので、異常を感じたら早期にご受診ください。

また、ご家族内でプール熱を発症された方がいる場合には、

  • しっかりと手洗い・うがいを行う
  • 共有部分はこまめに消毒する
  • タオル類は共有しないようにする
  • 洗濯を分けて行う
  • 感染者の入浴は一番最後にする

などといった対策が有効です。

二次感染を広げないために―

プール熱は毎年6月頃から患者数が増え始め、7〜8月頃にかけてピークを迎えます。とはいえ、決して夏場だけに限った病気ではありません。原因となるアデノウイルスは非常に感染力が強いウイルスです。発症するとまたたく間に周りの人に感染を広げてゆきます。特に眼に生じる異常は、小さなお子さんほど重症化する危険があります。早期に異常に気づき、適切な専門治療を受けることがとても重要です。新型コロナウイルス感染症予防の対策としてメディアでも盛んに言われているとおり、手指消毒の徹底や感染者との接触を避ける工夫はプール熱の予防おいても非常に有効です。家庭内での二次感染を防ぐためにも、引き続き正しい知識と予防に努めてください。

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