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緑内障の治療

緑内障は視神経に異常が起きることで視野が欠けたり徐々に見える範囲が狭まってしまう病気です。しかしながら白内障と同じく、症状は長期にわたって緩やかに進行するため、ご自身だけで異変に気づくことはなかなか難しい病気であることもまた事実です。年に一度の定期検診を利用するなど、早期に異常に気づける体制づくりが大切です。

脳に情報を伝達する視神経の異常により視野が狭まってしまう病気です

「物が見える」という原理は、まず眼の中に入り込んだ光が眼の奥にある網膜という部分に像を映します。そこからさらに視神経が脳に信号を送ることによって人は「物が見える」と認識できます。この大事な信号を送るべき視神経が異常をきたすことにより、正しい視界が得られなくなってしまうのがこの緑内障という病気の特徴です。一般的に視野の狭まりは外側から始まり、徐々に中心部分のみが残されていく形になります。1年から10年といった単位で緩やかに進行するため、ほとんどの方が自覚症状を感じることがありません。専門的な検査をして初めて異常に気づくといったケースが多いのもこの病気の早期発見を遅らせている大きな要因です。

失明原因の第1位でもある緑内障「見えづらい」と感じる頃にはもはや手の施しようがない状態にあることも―

日本において緑内障は失明原因の第1位とされるほどの非常に警戒すべき病気です。一度視野が狭くなってしまうと元には戻らないこともまたこの病気の恐ろしさです。それでもなぜご自身ではなかなか気づけないのか?それは中心部分だけは最後まではっきりと見えるからに他なりません。見たいものは視界の中心ではっきりと捉えられるため、ご本人にとって「見えない」という感覚には決してならず見逃されてしまうのです。視野の異常はご本人よりもむしろご家族や周りにいらっしゃる方々からの日常的な気づきからわかることが多いです。

例えば

  • 物にぶつかりやすい
  • 転倒しやすい
  • 車などの運転に不安を感じる

などといった状態はすでに視野の狭まりがかなり進行している可能性が考えられます。

40代以降の中高年に多くみられる病気です

先天的な問題や突発的な怪我による発症をされる方もいらっしゃいますが、緑内障のその多くは40代以降の中高年の患者さんです。要因として考えられることはさまざまありますが、主には眼圧と呼ばれる眼球を維持するための圧力が関係していると考えられます。眼圧が高すぎると頭痛や吐き気の原因となり、逆に低すぎると球の形が崩れてしまいます。高い眼圧は視神経を直接的に圧迫して深刻なダメージを与えます。球形を維持しているものは眼の中で作られている「房水」と呼ばれる水です。その水量調節や排出経路の確保も緑内障治療においてはとても重要な課題となっています。

診断に必要となる各種検査について

当院では以下の検査結果を用いて精緻に診断いたしております。

眼圧検査

眼球の押し返す力を測定する検査です。特に痛みはありません。

眼底検査

特殊な目薬で瞳孔を開き、眼の奥の網膜の状態を詳しく観察する検査です。

視野検査

まっすぐ前方を見る際に上下・左右のどれくらいの範囲が見えているかを正確に調べる検査です。

治療について

一度欠けたり狭まった視野が元に戻ることはありません。しかしながら早期に治療を開始することで緑内障の進行を抑制することは可能です。当院では症状や進行度に合わせて適切な治療法を選択いたしております。

点眼薬でのコントロール

点眼薬によって分泌される房水量を調節し、眼圧を正しくコントロールする治療法です。

レーザーを用いての治療

レーザーを用いて房水排出の道を調節することで眼圧を安定させます。

外科的治療

薬物療法やレーザーを用いての治療が難しい場合には房水の通路を切開するなどの外科的手術が必要となります。

当院ではレーザー治療・外科的治療ともに日帰りでの治療が可能です

お仕事の復帰について

軽い事務作業的な仕事への復帰は特に問題ありませんが、肉体労働や激しい運動などは数日間避けるなど安静を心がけてください。詳しくは医師までご相談ください。

手術費用の目安

治療にあたっては個人差が大きいため費用は一概には言えませんが、およその目安としては3割負担の方で5万円後半ほどの金額となります。

ご本人が「見えづらい」と感じ出す頃にはもはや手の施しようがない段階にまで進行していることも―
年に一度の健康診断の機会を有効活用するなど、早期発見へつなげる体制づくりを

日々の診療現場においては、視野が点のようになった段階で初めて「見えづらい」と感じて診察室におみえになる患者さんもいらっしゃいます。視野の狭まりは日常生活における不自由さだけでなく、最悪の場合には失明の可能性もある大変危険な症状です。また、緑内障は長期間にわたって非常に緩やかに進行するため自覚症状も薄く、ご本人だけではなかなか気づくことが難しい病気でもあります。近視や遠視がある方はさらに発症リスクが高まります。年に一度の健康診断等での検査機会を有効に活用し、早期に異変に気づける体制づくりをぜひ意識していただければと思います。その際になんらかの眼の異常が指摘された場合には、眼科にて専門的な検査を加え早期に治療を開始する必要があります。眼の不調は私たちの想像以上に大きな影を落とすものです。気になる症状がある場合にはぜひお早めに当院までご相談いただければと思います。

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