マイオピン
お子さんの近視の進行を抑制する点眼薬
マイオピンは小児期の近視抑制治療のひとつとして昨今注目を集める点眼薬です。パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの使用が当たり前となってきた現代において、幼少期から近視を患う患者さんが増えています。近視は進行するほどにさまざまな疾患を引き起こす危険があります。お子さんの大切な眼を守るために早期の治療をご検討ください。
増え続ける子ども世代の近視人口
パソコンやタブレット機器の普及により、私たちの生活はより豊かに便利になってきました。しかしながら快適さを求める一方で、眼は酷使される状況が続いています。特に大切な発達期のお子さんたちの眼には脅威となりえるものでもあります。「近くのものを長時間にわたって見続ける」という姿勢や生活が当たり前となってきたことで、近視に悩む子どもたちが増えています。重度な近視は、視力の喪失や黄斑変性症、網膜剥離や緑内障などといった深刻な眼の異常を引き起こす危険があります。お子さんたちの大切な眼を守るためにも、まずは早期に異常に気づき、適切な治療を開始することが求められます。
「近視」とは
遠くのものを見る際に、ぼんやりとして見えづらくなってしまう状態を言います。本来、眼の中の像を結ぶ位置よりも手前でピントが合ってしまうためです。子どもの近視の多くは眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことが主な原因として考えられています。一度眼軸が伸びてしまうと残念ながらもとに戻すことはできません。そのため、眼軸長の伸びを最小限に抑えることが近視の進行を抑制するためには重要となります。
マイオピンとは
マイオピンはシンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発された薬です。近視に悩むお子さんたちの実際の臨床結果より近視抑制の効果が期待される薬として昨今注目を集めています。
マイオピンによって期待される効果(※研究データより)
- 近視の進行を平均して60%軽減させる
- 日中の光のまぶしさに影響を与えない
- 目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えない
- 副作用が非常に少ない
マイオピンは1カ月使い切りタイプの点眼薬です
マイオピンは1日1回の使用で、約1カ月ほどで使い切るタイプの点眼薬となっています。毎日就寝前に両眼に1滴ずつ点眼します。最低2年ほど続けてご使用いただくことで近視の進行を抑える効果が期待されています。マイオピンは0.01%という低濃度のアトロピンを使用しているため、副作用もなく、お子さんにも安心安全な薬となっています。コンタクトレンズをご使用の場合には、外した後に点眼してください。
当院において治療可能な方
- 軽度~中等度(-1D~-6D)以下のお子さん
- 定期的な通院が可能な方
必要となる検査について
マイオピンの処方にあたっては、まずは診察をお受けいただき、お子さんの眼の状態を詳しく確認させていただく必要があります。各種検査の内容についてご不明点やご質問等ございましたら医師やスタッフまでお問い合わせください。
必要となる検査(例)
- 視力検査
- 眼の屈折程度の確認
- 点眼薬の使用に耐えうる眼の状態であるかどうか(副作用の可能性の有無)
- その他、眼に特別な異常がみられないかどうか など
料金について
マイオピンは自由診療となります。(保険診療や子ども医療費助成制度は適応されません。)
処方にあたっては月に1~2回の診療が必要となります。
- 診療費 およそ2,000~3,000円程度(1回につき)
- マイオピン 5,850円(1本/税込み)
お子さんの近視の進行を最小限に食い止めるために―
最近では学校現場においてもタブレットを用いた学習が盛んに行われるようになってきました。生活環境の変化に正しく対応できるかどうかがまさに今問われています。特に低年齢のお子さんたちは眼の機能も未熟で、周りの大人たちの注意深い見守りが欠かせない状況にあります。何らかの異常がみられる場合には早期の適切なケアが重要となります。マイオピンは点眼するだけの手軽な治療です。日本国内ではまだ導入しているクリニックの割合は少ない状態にありますが、当院ではすでに取り扱いを始めております。お子さんの近視の進行を早期に食い止めるためにもぜひご相談ください。