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新型コロナウイルス感染症について

[2021.01.08]

新型コロナウイルスの影響によって私たちの日常は大きく変化しました。世界中のさまざまな分野の研究者や専門家たちが総力を挙げて、今まさにこのウイルスの実態に迫ろうとしています。今回は日本眼科学会からの最新の提言をもとに、眼にまつわるさまざまな注意点をご説明させていただきます。

眼はウイルスの侵入経路として警戒すべき重要な部位のひとつです

眼と鼻は「涙管」という細い通路で繋がっています。この涙管を含む眼の粘膜部が、実はウイルスの侵入経路のひとつとなる可能性が指摘されています。一般的に涙管は涙を眼から鼻へ、さらには喉の奥へと流す働きをしています。加えて涙の量を調節したり、眼をきれいに浄化する役割をも担っています。しかし構造的には外界から体内へとウイルスを取り込んでしまうひとつのルートとして成立してしまいます。取り込まれたウイルスは喉の奥を通じて気道や胃などにも感染を広げてしまう可能性が懸念されています。汚染された手で眼を直接触ることは感染リスクを高めてしまう危険な行為となるため警戒が必要です

新型コロナウイルス感染症に罹患した場合には涙液の取り扱いも要注意!

涙管は、逆をたどればウイルスが体内から外へと排出されるルートにもなります。ご自身が新型コロナウイルスに感染した場合には、涙液にもウイルスが含まれている可能性が十分に考えられます。感染拡大を防ぐためも、眼を触った後には手洗いやアルコールによるこまめな手指消毒があわせて重要となります。

コンタクトレンズを使用する際には清潔な環境に留意して

コンタクトレンズを使用されている場合には、どうしても目を直接触りやすくなってしまいます。まずは石鹸で手をよく洗い、清潔な環境を維持することを心がけてください。レンズを装着した後にも、再度きれいに手を洗うようにしてください。コンタクトレンズの使用についてご心配やご不安をお感じの場合には使用を一時的に避け、代わりに眼鏡を利用されるなどといった工夫も有効です。

点眼液の共有や貸し借りをしてはいけません

たとえ同じ症状の場合でも、点眼液を共有したり貸し借りすることは感染を広げる大変危険な行為となりますのでおやめください。新型コロナウイルスに対してだけでなく、結膜炎などさまざまな眼の病気に対する感染リスクを高めることに繋がります。使用時には石鹸で手を念入りに洗うことを常に忘れず、容器の先端部がまつ毛など他の部分に触れないようにもご注意ください。

以下のような症状がみられる場合には早期の受診が必要となります

新型コロナウイルスに対する漠然とした不安や恐怖心によって、ご自身にとって必要な通院までをも差し控えられる患者さんが増えてきております。特に以下のような症状がみられる場合には緊急性の高い状態であることが想定されます。早期に診察にお越しいただき、適切な治療をお受けください。

急激な視力の低下がみられる場合

眼の血管のつまりによって視力が急激に低下する場合などは、緊急の処置が必要となります。早期に適切な治療を行うことができれば治る見込みも高まりますが、放置すると失明に至るケースも十分に考えられます。

急激な視野の狭まりや欠けなどの異常がみられる場合

網膜剥離など重大な病気が発生している可能性が考えられます。早期に対処できれば治る見込みのある状態でも、放置することで失明に至ることもあります。

ひどい充血や目に痛みを生じている場合

眼内炎など眼の内部にバイ菌が入ることで炎症が起きている可能性が考えられます。早期に治療できれば軽症ですむことが多いですが、放置すると失明に至る可能性もあるため注意が必要です。

頭痛や吐き気を伴うような眼の異常がみられる場合

緑内障による発作などは適切な治療を早期に施せば治る可能性が高まりますが、放置すると失明に至る危険があります。

定期的な検査や治療による管理が必要とされている方

定期的な検査を必要とされている方や、緑内障や加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症など医師から定期的な経過観察・治療・処置が必要と診断されている場合には通常通りのペースでご来院ください。

眼の手術を受けられた方

何らかの眼の病気や事故等で眼の手術を行った場合には、その後の通院があわせて必要となります。

正しい情報を得て、正しく恐れる姿勢を忘れずに―

新型コロナウイルスによる長引く影響で、漠然とした不安を抱えられている患者さんも多いことでしょう。しかし今一度、何が正しい情報かをしっかりとご自身で見極め、正しく病気を恐れる姿勢を忘れてはなりません。眼はとてもデリケートで非常に重要な部位です。ご自身にとって必要な治療を受けることや通院を続けることは不必要な外出にはあたりません。当クリニックでは新型コロナウイルス感染症に対する対策についてもスタッフ一同、細心の注意を払いながら意識高く取り組んでおります。徹底した手指消毒や院内の消毒・換気をはじめ、すべての患者さんの治療において治療器具の滅菌や厳重な管理を行っております。眼に何らかの異常を感じられた場合にはぜひ早期に診察にお越しください。

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